社会人の自分が捉える音楽はどこまで作家に近づくことが出来ているのだろうか。

様々な経験を積むたび、歌詞の意味や、その表現の鋭さに圧巻される作品がある。

四回目に当たる今回はボーカロイド「GUMI」が歌う「地球最後の告白を」に迫る。

 

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最初に、私にとってボーカロイドの音は決して心地よいものではなかった。

しかし、その作品に込められた世界観の純粋さに気づいてから、徐々に引き込まれる作品が現れ始めた。「地球最後の告白を」もその中の一つである。

 

地球最後の告白を

 

神様から不老不死を授かった少年の彼

彼の時間は止まったまま

周りだけ歳を重ねてゆく

 

好きだった彼女も、やがて老い

別れを告げる日が来た

何も伝えられないまま

戻れない憧憬(憧れ)を振り返る

 

彼は何度も彼女を好きになり

そして何度も別れを告げ

最後に一人なる

 

いつか見た、夕焼け

それは彼の恋と重なりとても綺麗だった

 

何度も失った彼の中で、

その美しさはもう汚れてしまった

 

長い時間が流れ、世界が灰になった

彼は永遠に独りになり

永遠に会うことのない彼女に

初めて告白したのだった

 

キャッチーなサウンドとは裏腹にこの作品には深い喪失感が漂っている。

「戻れない憧憬」「いたずらの意味を知った」などの歌詞からそれらが読み取れる。

 

 

前回の和楽器バンドの「守りたい人」の歌詞にも「伝えなきゃいけない事」が登場した。

 

思いを告げること、それは全てが過ぎ去ってゆく瞬間の中、全く万能ではない我々が存在を肯定できる数少ない手段なのかもしれない。

 

そして一つ確かなことは、不老不死であろうがなかろうが、行動しなければ、やがて全ては手遅れになってしまうということである。